琵琶湖の眺めとワクチンの話
2021年 08月 01日
「かかりつけ医による個別接種に続いて大規模接種会場での接種、そして企業や大学などでの職域接種が始まり、今後さらにワクチン接種が加速すると期待された矢先に、職域接種の予約を中止するとの発表があった。職域接種にはモデルナ社製のワクチンが使用されるが、予約の数量がそのワクチンの輸入量を越える可能性が出てきたためである。すると今度は、個別接種で使われていたファイザー社製のワクチンを一部職域接種に回すことも検討され始めている。
・・・このような事態になった1つの原因として、アストラゼネカ社製のワクチンの副反応の問題があるのではないか。わが国は同社と6,000万人分のワクチン供給を受ける契約をしていたのだが、ヨーロッパで血栓症など重症の副反応が報告され、特に若年者への接種を見合わす国が増えている。そのため、このワクチンは、台湾や東南アジア諸国に無償で譲渡しただけで、これまで国内では使用されていない。今後、モデルナ社製とファイザー社製のワクチンで足りなくなった場合には、アストラゼネカ社製のワクチンを使用するようになるのかもしれないが、その場合は、副反応についての事前の十分な説明と承認が必要であろう。」
現時点で、どこかの自治体の集団接種あるいは職域接種に使われるようになるのかどうかは分からない。ただ、自分が接種される立場に立って考えると、できれば有効性が高く、重度の副反応の少ないものを選ぶのが自然であろう。それらの点でより有利な他の2種類のワクチンも使用できる状況で、わざわざアストラゼネカ社製ワクチンを選ぶ人はまずいないのではないか。だとすると、公費接種が認められても、その使用は、緊急性を要する特別なケースに限られるのではないか。ワクチン接種にも関わったことのある医療従事者として、このワクチンが今後どのように使われるのか、注視していきたいと思う。
by t0hori | 2021-08-01 15:19 | 随想 | Comments(0)