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先輩の話に耳を傾けて

 2月も半ばを過ぎ、遅くなったが、ブラッド・オレンジの状態について報告しておく。植木の形状は昨年の秋から殆ど変わっていない。本幹が枯れて、根元に近いところから2本の緑の枝が分岐している。そのうちの1本には柑橘類に特徴的な棘がある。この棘も緑色をしているから、これらの枝はまだ生きているのではないかと思われる。ただし、この調子だと、春に復活して葉が生えたとしても、実を付けるところまでもっていけるかどうか。いずれ時期が来れば、夢のような果実の収穫を諦めるか、温室を用意するか、どちらかの決断をしなければならないだろう。
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 前々回のブログに、特任教授にとって、修論の公聴会や卒研発表会は必ずしも出席する必要はないと書いたが、まだ停年退職して1年にもならないので、一応両方に顔を出すことにした。前者は火曜日にZoomを使ってオンラインで開催され、自宅で興味ある発表を視聴した。後者はポスターによる対面式の発表だったので、金曜日の午後、大学へ出て行って前半、後半とも一通りポスターを見て回った(下の写真)。こうしてみると、自分でも結構義理堅いというか几帳面な性格だなと思ってしまう。
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 金曜日に卒研発表会に行く前に、北山クラブ会長の西原さんとまたエトワールで一緒に日替わりランチを食べた。この店については前回も書いたので省略するが、そこで、西原さんから停年後の生活について聞いた話を書いておこう。彼は国立大学の理系の教授を退職した後、職につかず、年金だけで悠々自適の生活をしている。何十年も研究中心の生活を送ってきた者にとって、停年は生き方そのものの大きな変化を伴う出来事である。小生はそれを経験し、精神的に相当なダメージを受けたが、そのことについて尋ねると、西原さんも同じような経験をしたと話し、自分のことを「世間知らず」と形容した。つまり、学者を廃業すると、世の中のことを何も知らない1人の年寄りになるということである。小生も還暦を過ぎるまで、自分の研究に余念がなかったので、共通する部分が多く、言い得て妙と思った。
 ただし、彼の場合は、停年退職するとすぐに、北山クラブの初代会長の遺稿の整理と「北山に入る日」の出版、そして会長職の引き継ぎという仕事を任されたので、世間知らずでも何でも気にする暇はなかったらしい。今もヒノコの山小屋を管理し、山行きを続け、多くの会員にメルマガを配信しているから、それなりに充実した毎日を送っているのだろう。小生の場合は、大学の特任教授の勤務と医師としての診療という二足のわらじを履いている。その点では、西原さんほど活動的ではなくても、共通する部分があるかもしれない。彼の話には停年退職した大学教員の生き方について有益なヒントがあって、これからも参考にさせてもらいたいと思っている。
 今日は11時頃から植物園へ散歩に行った(下の写真)。朝は肌寒かったが10時頃から気温が上がり始め、上着を着て園内を歩いていると汗ばむくらいの陽気だった。梅林の梅がそろそろ見頃になりつつあって、多くの人が見に来ていた。2人連れの客に頼まれて梅の木の前でiPhoneを渡されて写真を撮らされるということもあった。主要な場所を一巡して、大芝生地の近くの「森のカフェ」で昼食を食べようかと思ったが、混んでいたので見合わせることにした。沈床花壇からバラ園に沿うくすの木並木の道の両側には「京都新世代いけばな展2021」の作品が展示されていた。お腹も減ってきたので、12時半頃に、正門から外に出て、加茂川の堤防からの景色を眺めてから、北大路通りを回って昼過ぎに帰宅した。
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by t0hori | 2021-02-21 16:42 | 随想 | Comments(0)  

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