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多忙だった1週間

 米国出張中にホテルで短く書いた日記風の文章を前々回のブログにアップした。その次の日、すなわち日本に帰る前日にオーランドでやったことを少しだけ書き足しておこう。午後に学会場を抜け出して、ユニバーサルのテーマパークに立ち寄り、ジュラシックパークなどのアトラクションに乗って楽しんだ。その後、モールアトミレニアというショッピングモールへ行って買い物をしたのだが、そこで、懐かしいチョコレートチップのクッキーの店を見つけた。
 以前このブログに書いたように、小生は1988年から1991年までカリフォルニア州のパロアルトに住み、スタンフォード大学の近くにあったDNAX研究所というところでポスドクをしていた。その頃、ラボの実験助手のSunitaというインド系の女の子に教えてもらったのがMrs. Fieldsという店のチョコチップクッキーだった。それまで日本で食べたものと違って柔らかく、チョコレートが沢山詰まっていた。何枚か食べているうちに好きになり、しばしば自分でUniversity Avenueの店へ買いに行ったものである。
 そのMr. Fieldsの店がオーランドのモールアトミレニアの2階にあったのである。懐かしいので、チョコチップクッキーを何枚か買ってホテルに戻ってから食べてみた。下の写真は店の外観とホテルで食べたクッキーでである。その後、日本に持ち帰ってからも食べたが、甘すぎて30年前に初めて食べたときほど美味しいと思わなかった。自分が歳をとり、味覚が変わってしまったのだろうか。けれども、それを口にくわえると、ポスドクとして毎日真剣に実験していた頃のことが懐かしく思い出された。
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 プルーストの「失われた時を求めて」の主人公が、マドレーヌを口に含んだ瞬間にコンブレーでの幼年時代を思い出したように、確かに味覚が遠い記憶を蘇らせるということはあるようだ。Mrs. Fieldsのチョコクッキー以外で、パロアルト時代に大好きだった食べ物は、Kirk’sという店のハンバーガー(ステーキバーガーと呼んでいた)だった。この店は東大から新井先生のラボに来ていたポスドクの中山直樹さんに教えてもらたのだが、California Avenueから少し細い道を入ったところにあって、本当に美味しかった。今でも食べたいと思うが、実際に食べたら、その頃とは違ったように感じるかもしれない。

 この1週間は忙しくて、実際に思い出に耽っている余裕はなかった。今年度の後期は1限目の授業が多い。始業時刻の9時に間に合うように7時過ぎに家を出るのだが、名神高速道路京都東インターの入り口の手前で渋滞がひどい場合、予定通りの時刻に大学に着けるとは限らない。この前の水曜日には、高速道路を諦めて渋滞する1号線を通り、約2時間かかって辛うじて9時の授業に間に合った。また、定期試験の問題作成の締め切りも迫っていた。この作業は何度やっても簡単には片付かない。今回は結構時間をかけて丁寧に作問したつもりである。その他、出張中に休講した科目の補講もあり、土曜日の昨日は3科目を続けてやった。このようにいろいろと大変だったが、次の水曜日の1限目の授業とラボのミーティングが済めば、短いながらも冬期休暇である。
 年が明けて、何回かの授業の後、定期試験、その採点と成績の集計作業、そして2月には修論公聴会と卒研発表会がある。それらがすべて終われば、学生たちは卒業で小生は定年である。そこまで、先のことを考えずに頑張るしかないと思っている。

by t0hori | 2019-12-22 21:15 | 日誌 | Comments(0)  

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