人気ブログランキング | 話題のタグを見る

初めての植物栽培

 まずは、3日前と今朝撮った写真をご覧いただきたい。小さい植木鉢の土からある植物の芽が出ているというだけのことであるが、小生にとっては、ちょっとした事件だった。それがどういうことであるかについて、少し回りくどいが、好きな飲み物の話から始めたい。
初めての植物栽培_b0347607_17142020.gif
初めての植物栽培_b0347607_17142955.gif
 イタリア(シチリア)産のブラッド・オレンジジュースは、強い酸味と独特のコクがあって美味しい。小生は、学会などでイタリアへ行く機会があれば、必ずブラッド・オレンジジュースを味わい、日本国内のイタリア料理店へ行っても、まずそれがあるかどうかを尋ねることにしている。ただ、日本で買うと高価である。輸入ものの冷凍した紙パックは、1リットル入り1本600円以上するから、そんなにいつも飲めるものではない。わが家では、高級食材を扱うスーパーなどで買うか、通販で取り寄せるかして、ときどき飲む程度なのだが、口に入れる度に、これほど美味しい飲み物が他にあるだろうかと思ってしまう。それほど、小生は、ブラッド・オレンジジュースの熱烈なファンである。
 ブラッド・オレンジジュースのとりこになった人は、新鮮なブラッド・オレンジをそのまま食べたり、絞りたての生ジュースを飲んだりしたいと思うのが自然であろう。小生は、これまで、日本のスーパーで、イタリア産の新鮮なブラッド・オレンジを一度も見かけたことがなく、それは買えないものと思っていた。しかし、今年の春に、インターネットで検索して、イタリア産の直輸入ものではないが、国産のブラッド・オレンジを売っているところを見つけ、注文してみることにした。愛媛県のある果樹園から届いたTarocco種のブラッド・オレンジは、イタリア産とは比べるべくもなく、果肉の色も薄い赤色のものが多かったが、味はそれなりに美味しかった。ただ、量の割に値段が高く、何度も注文したいとは思わない。
 ブラッド・オレンジの皮を剥いてみかんのように食べるときに、ふとした思いつきで、種(たね)を残しておくことにした。Taroccoは種が少ないとされていて、確かに、2つか3つに1個くらいしか種がなかった。そうして取り出した種を水洗いして、ペーパータオルでくるんで保管しておいた。それから約3週間後の5月17日、大学からの帰りに、ふとこの種のことを思い出し、フォレオというモールのRicoche+という園芸用品店(下の写真の店)に立ち寄って、小さい植木鉢と園芸用の土を買った。およそ園芸とは縁のない小生がそのようなものを買って帰ったので、家族から不審がられたが、さっそく保管しておいた種をその夜のうちに植えてみた。
初めての植物栽培_b0347607_17143784.gif
 それから、1日おきくらいの頻度で、水やりと観察を続けたのだが、いつまで経っても何の変化も起こらなかった。そして、1ヶ月半が過ぎ、もうだめかなと諦めかけた7月2日の朝、最初にお見せした写真のような状態になっていたのである。種を植えた4つの植木鉢のうち、芽が出たのは今のところ1つだけである。しかし、その1つで小生にとっては十分だった。翌日には、植木鉢を南向きの縁側に移動させ、それから毎日、夜寝る前に、多くなり過ぎないように注意しながら、少量の水をやっては、次の日の朝の状態を観察している。ガーデニングや室内での植物栽培の経験のある人たちは、ありふれたことと思われるのだろうが、その方面のことを全く知らない小生にとっては、鮮烈な出来事だったのである。この歳になって気恥ずかしいが、まるで小学生のように、新芽の成長に心をときめかせている。
 インターネットで検索すると、ブラッド・オレンジの接ぎ木の苗を販売している業者もあるようである。それを買えば、簡単に栽培できるのかもしれない。しかし、自分が食べた果実の中にあった種を植え、それが芽を出すのを見るのは、また、それとは違って格別な経験である。この先どうなるか分からないが、何とかオレンジの実を付けるところまで育ってほしいものである。妻からは、できるわけがないからいい加減に中止するように言われているが、はっきり言って余計なお世話である。楽しみが一つ増えたと思っているわけだし、この話に興味を持つ方もおられるかもしれない。今後、折りに触れて、ブラッド・オレンジの成長をこのブログで報告したいと思う。

by t0hori | 2015-07-05 17:24 | 日誌 | Comments(1)  

Commented by 名も無き者 at 2015-07-10 23:20 x
コロキウムに参加したものです。
ブラッドオレンジ。。
名前から想像すると吸血鬼が好みそうな果物ですね。
経過報告楽しみにしております。

<< 就活時期の変更は改悪だったのか 阪神首位の不思議 >>